SIRC 龍谷大学 社会的孤立回復支援研究センター | Social Isolation Recovery Supports Research Center, Ryukoku University

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 2023年11月14日(火)に当センターATA-netユニットおよび社会的孤立理論研究ユニットの共催で「大麻ティーチイン・パート2大麻取締法改正法と使用罪新設〜何を食べるか。何を飲むのか。何を使うのか。それは、自分で決めます。〜」を開催します。

 

 2023年10月24日に『大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)の一部を改正する法律案』が閣議決定され、国会に提出されました。その後、衆議院厚生労働委員会で審議が始まり、衆議院や参議院での審議を経て、12月13日頃に成立する見込みです。今回の立法・改正の背景にはどのような事情があるのか、日本における大麻をめぐる状況はどのような事実があるのか、参加者との意見交換を交えながら多様な視点から、薬物政策の課題を考えます。

 皆様ぜひご参加ください。


「大麻ティーチイン・パート2 大麻取締法改正法と使用罪新設〜何を食べるか。何を飲むのか。何を使うのか。それは、自分で決めます。〜」
【日 時】2023年11月14日(火)18:30〜20:00
【方 式】リモート方式(zoom)
【申 込】https://forms.gle/baPPBnZdAndN39L89
     ※参加の申し込み締め切り:11月14日(火)正午まで 
【報告者】石塚 伸一(刑事司法未来代表/龍谷大学名誉教授/立正大学客員教授)
【司 会】丸山 泰弘(立正大学法学部教授)
【主 催】一般社団法人 刑事司法未来(CJF)
【共 催】龍谷大学社会的孤立回復支援研究センター(ATA-netユニット社会的孤立理論研究ユニット龍谷大学犯罪学研究センター(改革的司法ユニット)任意団体クリアライト
【企画趣旨】

 2023年10月24日、岸田内閣は、『大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)の一部を改正する法律案』(以下「新大麻法」という。)を閣議決定し、国会に提出しました。11月半ばから衆議院厚生労働委員会で審議が始まり、衆院で可決すれば、参議院に送付し、12月13日には成立させるつもりのようです。

 

 しかし、こんな法改正、多くの市民に市民には「寝耳に水」。ほとんどの国会議員は、「今まで、大麻の使用が処罰されていなかった」なんてことは知らなかったのではないでしょうか。政府は、なぜ、会期2か月の臨時国会に提出してまで、この法案の成立を急ぐのでしょうか。岸田さんは何を考えているのでしょう?

 

 日本には大麻の研究者が極わずかしかいません。薬物問題を研究する医学、法学などの研究者も、覚醒剤の研究が主で、カナビス(大麻)にはあまり関心を持ってきませんでした。また、免許を受けた大麻農家はわずか27件、研究者は400人ほどいるといわれますが、ほとんどは公的組織の職員です。学術的に精通した研究者はほんの一握りです。ただ、この3年くらいの間、一部の臨床医や市民の間では、厚生労働省が「大麻使用の犯罪化」を検討していることが危惧されていました。

 

 わたしたちは、この問題の重要性を認識し、多くの市民に「大麻とはなにか」「大麻規制にどのような問題があるのか」そして「世界は何を目指しているのか」を知ってもらうために「大麻ティーチイン」(2021年)を企画し、その成果を出版しました(石塚伸一=加藤武士=長吉秀夫=正高佑司=松本俊彦編著『大麻使用は犯罪か?〜大麻政策とダイバーシティ』〔現代人文社、2022年〕)。

 

 今回の法案には、「大麻の使用罪の創設」「医療用大麻の一部合法化」「大麻栽培免許制度の見直し」などが盛り込まれています。インターネットの世の中で、犯罪化・重罰化によって若い人たちに「犯罪者」「薬物中毒者」のスティグマ(烙印)を押し、デジタル・タトゥーによって差別や偏見を拡大することになるのではないか。海外の医療と薬品に頼ることは多国籍薬物企業の支配に繋がるのではないか。生物多様性の保護や循環社会の実現ために国内の大麻産業を育成しなくてよいのかなど、法案には多くの疑問があります。

 

 国会での審議を充実させるためには、議員さんたちに大麻について勉強してもらわなければなりません。そして、専門家の参考人やパブリック・オピニオンを通じて多くの市民の意見を聴取し、それから法律を作るべきでしょう。

 

 みなさん、一緒に勉強しましょう。


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【大麻】ティーチイン・パート2_ご案内